DX時代の情報資産管理ポータルサイト

カテゴリ
タグ
  1. TOP
  2. 電子文書管理の基礎知識
  3. 電子文書を取り巻く環境について説明します

電子文書を取り巻く環境について説明します

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2025/07/01
電子文書を取り巻く環境について説明します
デジタル化が進み、ほとんどの文書はパソコンなどのハードウェアを利用し作成されます。
しかし、保存や活用にあたっては、紙が多く利用されているのはなぜでしょうか。


文書の電子化進む

あらゆる分野で文書の電子化が進みつつあります。現在では、よほど特殊な目的がある場合を除いて、手書きで文書を作成する人はいません。官公庁・企業などの組織では、全ての人がパソコンなどのハードウェアで様々なアプリケーションを利用して文書を作成します。文字を打ち出すマシンとしては、一昔前にはタイプライターがあり、その後ワードプロセッサーが登場、これによりデジタル文書の時代が始まったのです。
ところがワードプロセッサーは、瞬く間にパソコンに取って代わられます。ワードプロセッサーは単なる電子的文書作成機に過ぎませんでしたが、パソコンの時代になり、文書の世界は一変しました。パソコンにより、単に文書を作成するだけではなく、計算したり、静止画・動画のコンテンツを製作したり、ネットワークを通じて通信を行ったりすることが可能になりました。正に、デジタル化によって文書をめぐる環境に革命が起こったのです。今や、完全に電子的に文書を作成し、保存し、活用する時代となったといえます。

しかし、そうはいってもまだまだ問題があります。作成はパソコンで電子的に行っても、依然として保存や活用は紙でというやり方から抜け出せていません。その原因の一つに、電子文書にはない紙文書の利便性ということのほかに、電子文書の欠点がはっきりしてきたことが挙げられます。つまり、電子文書には原本性の保証、長期保存という点で課題があり、その点に関してはむしろ紙文書の方に優位性があるのです。
もう一つの原因として、文書のライフサイクル管理という点で、紙文書と違うノウハウややり方が必要にもかかわらず、まだ電子文書に関する方法論が確立していないという点が挙げられます。

電子文書に関する世界の動向

一方、海外では一段と電子化の動きが加速しています。例えば、米国では国立公文書記録管理局(NARA:National Archives and Records Administration)が10年掛かりで進めてきた電子記録アーカイブズ(ERA:Electronic Records Archives)システムの運用が、2012年から始まっています。このERAは、ハード、ソフトがどのように変わろうとも、未来永劫に電子記録が読み取れるようにするシステムで、各省庁からNARAへの記録の移管を電子的に行うだけではなく、同時に紙やフィルムを含めた全ての記録のライフサイクル管理プロセスへの支援も含まれています。

また、米国では2011年11月にオバマ大統領が、連邦政府各省庁の長官に対して、法律ではないが法的な拘束力を持つ連邦政府記録の管理に関するメモランダムを発行しました。その目的は、政府記録管理の方針と実践を改革するための行政府全体の努力を求めたもので、特に電子記録管理の重要性に焦点が当てられています。すなわち、電子情報の量と種類の急増に対し、記録管理の方針と実践がデジタル時代に合うように更新されなければ、コスト高と記録の喪失を招くだろうと警鐘を鳴らしているのです。
これを受けてNARAは行政管理予算局(OMB)と組み、2012年8月、記録管理指令を各省庁の長官宛に発行し、具体的な実施計画作りに着手しました。

また、カナダでは国立図書館・公文書館(LAC:Library and Archives Canada)が、各省庁からLACへの公文書の移管は、2017年以降、電子記録のみとする方針を打ち出しています。

まとめ

本記事では、電子文書を取り巻く環境について詳しく説明しました。
次回は、日本における電子化について解説していきます。
日本レコードマネジメントでは、電子文書管理の専門知識と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合った電子文書管理の体制を構築、提供いたします。お気軽にお問い合わせください。