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アーカイブズ文書の永久保存について詳しく解説します!

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2025/05/12
アーカイブズ文書の永久保存について詳しく解説します!
アーカイブズとは、歴史的に重要な資料を永久的に保存し公開する施設、あるいはそのような歴史的記録資料そのものを指します。
今回は、アーカイブズの永久保存についての考え方や整理・保存原則を詳しく解説します。


永久保存に対する基本的な考え方

歴史的な文書・記録を永久に保存し続けるためには、アーカイブズ機関で受け入れた文書・記録の現状とコンディションを維持し、劣化や破損をもたらす原因をできる限り予防する方策と手段が重要となります。すなわち、それぞれの文書・記録の材質や種類に合わせ温度や湿度、光(照明や自然光)などの条件を考慮した適切な環境で保存する必要があるのです。
また、ホコリ・チリ、虫・小動物の侵入やカビの発生を防ぐ必要もあります。そのためには、適切なアーカイバル用品(文書の安全保存に適した品質の良い中性紙や厚紙で作った容器)の使用や、くん蒸などの処置を行います。さらに、劣化や破損が生じ始めた文書・記録類があれば、できるだけ早く専門家による修復などの延命措置を講ずることも重要です。特に酸性紙を使った資料の場合は、特殊な処置が必要となります。このようなことを考慮すると、貴重な歴史文化遺産・知的情報資源であるアーカイブズ文書は、できる限り人の手に触れないようにするのが良いともいえます。そうすれば少なくとも、光の影響や劣化、破損のリスクは減少するでしょう。さらに、入退室時の扉の開閉の回数が減れば温度や湿度が安定し、虫やカビ・ホコリの侵入も抑えられるかもしれません。しかし、それでは逆にそれらの利用が妨げられる結果となり、本末転倒となってしまいます。

従って、アーカイブズ機関は、貴重な歴史文化遺産・知的情報資源であるアーカイブズ文書を、保存と利用の間で常に適切なバランスを考慮しながら永久保存する必要があるわけです。

また、アーカイブズ文書を永久保存するためには、火災、地震、水害などの災害に対する備えが必要です。具体的には、まずアーカイブズが立地する地域の自然環境の特徴を把握し、過去に被害に遭った事例と対策を把握しておきます。さらに、防災計画や緊急対応マニュアルを作成し防災訓練を行うことも大事です。このほか、書架や備品の倒壊を防ぐための対策をしておくことも忘れてはなりません。

永久保存のための整理・保存原則

アーカイブズ文書を、貴重な歴史文化遺産・知的情報資源として一般国民や研究者に幅広く利用してもらうためには、それらを活かすための適切な整理・保存方法が必要です。そのため、アーカイブズ分野には、いくつかの原則が存在しています。特にアーカイブズ文書の整理・保存に関しては、「出所原則」「原秩序尊重の原則」「原形保存の原則」の3原則を守る必要があるとされています。

出所原則

アーカイブズ文書を、それらを作成、活用、保存してきた組織・団体ごとの文書・記録群としてとらえ、一つの出所を持つ文書・記録群は、他の出所を持つ文書・記録群と混合して整理してはならないという基本原則です。

原秩序尊重の原則

出所を同じくする文書・記録群の中で、それを生んだ組織・団体の活動の体系を反映している原秩序は尊重して残さなくてはならないという原則です。つまり、そこには元の出所において作られた文書・記録の相互の関連性や意味があるからです。具体的には、一つのまとまりとして保存されているファイルや簿冊の中の資料は、その保存形態の現状をむやみに変更しないという原則です。それには元の整理番号なども含まれます。

原形保存の原則

文書・記録の原形、すなわち、文書の束、袋、綴り、簿冊やファイルなどのまとまり、文書の折り方、閉じ方、包み方など、文書・記録の物理的原形をむやみに変更してはならないという原則です。つまり、文書・記録の原形自体が、ある情報や意味を持っているために、それを変えてはならないということなのです。

これら3つの原則に則った整理作業を進めるなか、やむを得ず出所、原秩序、原形について変更を加えなければならない場合が生ずることがあります。その場合に重要なことは、保存修復処置の状況など、どのような変更を行ったのかという事実を必ず記録し、後の利用者や研究者に元の状態が分かるようにすることです。つまり、トレーサビリティ(追跡可能性)を確保するわけで、これを「記録の原則」と言います。

まとめ

本記事では、アーカイブズ文書の永久保存について詳しく解説しました。
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