企業や組織の文書管理に関する基本法令を解説します

本記事では、組織活動に深く関係する主要な6つの基本法令と、近年の法改正のポイントを解説します。
企業・団体等の活動に関係する主な法令
組織活動の中で最も厳しい競争環境にあるビジネスの世界で、公平・公正な競争が行われるよう、様々な法令等が制定・施行され、運用されています。
ここでは、民間の企業・団体等の業務に影響を与えるとともに、文書管理についての取り決めが提示されている法令を紹介します。
会社法
会社法(2006年5月施行)は会社経営の機動性・柔軟性の向上及び健全性の確保などを目的とし、企業価値を高め株主利益を最大化することをねらいとして創設されました。その後、会社法は2014年6月に改正され、コーポレートガバナンスの強化と親子会社に関する規律などの整備が図られています。
さらに、2019年12月には会社をめぐる社会経済情勢の変化に応え、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るためとして、会社法の一部が改正されました(2021年3月より順次施行、株主総会資料の電子提供制度は2022年9月施行)。社外取締役の設置義務や取締役の報酬決定方法の透明化などを定めており、ガバナンス(企業統治)の強化が進められています。
金融商品取引法
金融商品取引法(2007年9月本格施行)は、「内部統制」や「説明責任」という考え方を世の中に広めた法律であり、企業における記録情報管理にとって重要な法令の一つとなります。
内部統制に関する部分は、企業の不正な会計処理を中心とした不祥事が背景となり、投資家保護のために上場会社の責任を強化したもので、ディスクロージャーの強化、財務情報の正確性・公正性確保のための内部統制の構築を義務付けています。
e-文書法
e-文書法(2005年4月施行)は、民間企業に対し、紙による原本保存が義務付けられている文書や帳票の電子保存を原則的に容認する法律です。
これにより民間の文書保存コストを軽減し、利便性の向上が図られました。法人税法や商法、金融商品取引法などで、民間企業が紙による原本保存を義務付けられていた文書や帳票の電子化が認められることになりました。
民事訴訟法
民事訴訟法は1996年6月に大幅な全面改正が行われ(1998年1月施行)、文書管理に関連した事項として、大変重要な変更がありました。従来の旧民事訴訟法では、企業が所持する文書については、一部例外を除き原則として提出義務がなかったのに対し、現行法では一部例外を除き、原則として全ての文書について裁判所に提出義務があることになりました(文書提出命令の強化)。
また、2003年7月にはさらなる民事訴訟法の改正が行われ(2004年4月施行)、証拠収集手続きが拡充されました。
さらに、2022年5月には「民事訴訟法の一部を改正する法律」が成立し、裁判への書面の提出や進捗管理がオンライン(電子的裁判手続)で完結する仕組みへと順次移行が進んでいます。
不正競争防止法
不正競争防止法は、企業の技術情報を含む営業秘密を保護し、漏えいと流出を防ぐための法律です。2005年の改正以降も数度にわたり改正が行われ、2015年には「営業秘密」の保護強化に主眼をおいた改正が行われています。
さらに、2018年の法改正では、「限定提供データ」という新たなカテゴリーを設け、データの不正取得等に対する民事措置を創設するなど、価値あるデータの流通環境整備に向けた対応が進められています。
また、2023年6月に改正法が成立され(2024年4月全面施行)、ビッグデータを共有するビジネスにおいて「限定提供データ」として保護される範囲の拡大(営業秘密として秘密管理されているデータであっても、限定提供データとして重ねて保護を受けられるよう要件を緩和など)が盛り込まれています。
機密情報の管理は文書管理上の重要テーマの一つであるため、不正競争防止法の動向は常に把握しておく必要があります。
不正アクセス禁止法
不正アクセス禁止法(2000年2月に施行)は、コンピューターネットワークの発展と重要性の高まりに伴い、コンピューターネットワークへの不正アクセスなどを禁止することでネットワーク関連の犯罪防止を図ることを目的として制定されたものです。
2013年5月の全面施行では、不正アクセス行為が大幅に厳罰化されました。また、フィッシング行為やサイバー攻撃に対応するための改正も施行されています。
まとめ
企業の文書管理は、会社法やe-文書法など複数の法令に基づいた適切な運用が求められます。法令を正しく理解し、安全で効率的な文書管理体制を整えましょう。
日本レコードマネジメントでは、文書管理の専門知識と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合ったサービスを構築、提供いたします。お気軽にご相談ください。
本記事は、当社広報室にて発信しています。















