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情報公開制度についてわかりやすく解説!

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2023/09/26
情報公開制度についてわかりやすく解説!

情報公開制度は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」に基づき、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、国民に対する政府の諸活動を説明する責務(アカウンタビリティ)を全うし、公正で民主的な行政の推進を目指すものです。

本記事では、情報公開制度についてわかりやすく解説します。


情報公開制度とは

情報公開制度とは何かということを一言でいうと「国民等の請求により、行政機関は保有している行政文書を原則公開することにより、行政機関の諸活動を国民等に説明する制度」ということになります。我が国の情報公開法は、米国の情報自由法と同様の考え方を取り、請求権者を「何人も」と定めているので、実際は日本国民以外の外国人でも請求が可能です。また、我が国の情報公開法(正確には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」)は、その目的として

  1. 行政文書の開示請求権の明確化
  2. 行政情報の公開性(Openness)の向上
  3. 説明責任(Accountability)の確保

を掲げています。開示請求権とは、憲法で保証されている国民主権の理念にのっとり、国民が政府にその保有する文書の開示を請求できるという権利であり、情報公開制度の中核をなすものです。説明責任とは、国政を信託した主権者である国民に対し、政府がその諸活動の状況を具体的に明らかにする責務を意味し、国民の開示請求権と対をなすものです。公開性の向上で、国民が必要な情報を入手することにより、国民が行政運営の状況について的確・適正な理解と意見の形成及び行政への参画が可能となり、その結果、公正で民主的な行政の推進に資することとなるのです。その意味で情報公開法は「民主主義の標準装備」といわれており、自由主義を掲げる多くの先進国が既にこのような法律を有しています。

情報公開法の歴史

年代 主な出来事
 1766  スウェーデン 出版の自由に関する法律:世界最初の情報公開法
 1966  米国 情報自由法(Freedom of Information Act)
 1982/3  山形県金山町 情報公開条例 日本の情報公開(条例)第一号
 1982/12  神奈川県 情報公開条例 都道府県初の情報公開条例
 1996/12  行政改革委員会「情報公開法要綱案」「情報公開法要綱案の考え方」
 1999/5 「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」制定・公布
 2001/4 「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」施行
 2001/12 「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」制定・公布
 2002/10 「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」施行


次に「行政機関は保有している行政文書を原則公開する」の意味ですが、これはあくまでも行政機関が現在保有している文書を公開すれば良いということであって、現に文書が存在しない場合(「文書不存在」という)、文書を新たに作成して公開する、あるいは口頭で説明する必要は全くないのです。従って文書不存在の場合、情報公開制度は成り立たないことになります。つまり、情報公開制度は、必要な文書が作成され、それが検索可能な状態で適切に保存されていることが前提となる制度であり、正に文書管理が基本的なインフラとなっていることを意味しているのです。「情報公開と文書管理は車の両輪」といわれるのはそのためです。

「原則公開」とは請求があった文書が不開示情報に該当しない限り、基本的に公開しなければならないという意味で、情報公開法では次の六つのカテゴリーで不開示情報が定められています。すなわち1)個人情報、2)法人情報、3)外交防衛情報、4)犯罪捜査情報、5)審議検討情報、6)国の事務事業情報です。

また請求があった文書の一部に不開示情報が記録されている場合で、その部分を容易に区分して除くことができるときは、その部分を除いた部分を開示しなければなりません。これが「部分開示」です。

 

情報公開法と文書管理

情報公開法において説明責任を果たす上で、あるべき文書がなかったり、その所在が判らず検索ができなかったりしたら、情報公開制度の円滑な運用は期待できません。つまり、各行政機関において情報公開の前提となる文書管理が確実に実施されなければ、情報公開制度は十分に機能しないのです。

そこで、情報公開法は当初、「行政機関の長は、この法律の適正かつ円滑な運用に資するため、行政文書を適正に管理するものとする。」(第22条1項)と規定し、適正な文書管理を義務付けました。そして、この規定に基づき政令で文書管理に関する細目を定めることとし(同条2・3項)、情報公開法を施行することにしたのです。しかし、行政機関において文書管理の重要性が充分理解されたとはいえず、情報公開請求をしても文書がない、いわゆる「文書不存在」のケースが、毎年少なからず発生するという結果が生じていました。その後2009年6月、新たに「公文書管理法」(正確には「公文書等の管理に関する法律」)が制定されたため、この第22条は削除されました。そして2011年4月、「公文書管理法」が施行されたことにより、情報公開法と文書管理の関係は大きく変化することになりました。つまり、これでようやく我が国も情報公開法の前提となるべき公文書管理法が対で揃うことになったのです。

情報公開法での対象文書

従来、情報公開法において対象となる行政文書は、情報公開法第2条第2項に「この法律において『行政文書』とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。」と定義されていました。

新しく制定された「公文書管理法」における「行政文書」の定義は、この情報公開法の「行政文書」の定義をそのまま踏襲しています。(「公文書管理法」第2条4項)。従って、情報公開法の対象文書となる「行政文書」の定義や概念は従来と全く変わりません。

まず、「行政文書」とは情報が一定の媒体に記録されたものをいい、しかも媒体の種類は幅広くとらえ、紙文書のほか図面、写真、マイクロフィルム、電磁的記録を含む概念になっています。電磁的記録とは耳なれない言葉ですが、1987年改正の刑法に取り入れられた電子文書の概念で「電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう」(「刑法」第7条の2)と規定されています。従って、コンピューターで作成・処理される電子情報の記録を始め、コンピューター用のプログラムや電子メールの記録はこれに該当しますが、録音・録画用の磁気テープなどは含まれていなかったのです。しかし、その後にできた情報公開法や公文書管理法の行政文書の定義における電磁的記録には「電子計算機による情報処理の用に供されるもの」という文言が外されていますので、電磁的記録の範囲が広がり、録音・録画用の磁気テープなども含まれることになります。

さらに、説明責任を果たすという情報公開法の趣旨から、この法律の施行前に作成又は取得した文書を含め、決裁・供覧などの事案手続きを要件とせず、「組織的に用いるもの」(組織共用文書)という実質的な要件で規定されています。従来の自治体情報公開条例の殆どが電磁的記録を対象から外し、決裁・供覧手続き終了を対象文書の要件としていたのに比べ、国の情報公開法が大幅に対象文書を広げた点は、高く評価することができます。

「組織共用文書」とは、作成または取得に関与した職員個人の段階のものではなく、組織としての共用文書の実質を備えた状態、すなわち、行政機関の組織において、業務上必要なものとして利用または保存されている状態のものを意味します。従って、「組織共用文書」以外のものは「個人文書」となり、公開請求の対象外となります。個人文書といっても業務で使う個人文書なので、その区分には難しいものがありますので注意が必要です。

総務省発行の「詳解情報公開法」では「組織共用文書」と「個人文書」を区分する判断基準を次のように説明しています。

  • 作成・取得
  • 職員個人の便宜のためにのみ作成又は取得したものかどうか
  • 当該行政機関の長又は管理監督者の指示などの関与があったものかどうか
  • 利用
  • 業務上必要として他の職員又は部外に配布されたものかどうか
  • 他の職員がその職務上利用しているものかどうか
  • 異動の際、後任者に引き継がれているものかどうか
  • 保存・廃棄
  • 専ら当該職員の判断で処理できる性質の文書かどうか
  • 組織として管理している職員共用の保存場所で保存されているものかどうか

そして、これらを総合的に考慮して実質的な判断を行うことが必要であるとしています。

また、情報公開法では次のものは対象文書から除外されています(情報公開法第2条第2項1~3号)。

  • 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
  • 公文書管理法第2条第7項に規定する特定歴史公文書等(公文書管理法制定に伴い追加)
  • 政令で定める研究所その他の施設において、政令で定めるところにより、歴史的若しくは文化的な資料または学術研究用の資料として特別な管理がされているもの


まとめ

情報公開制度、情報公開法と文書管理、情報公開法での対象文書について解説しました。
情報公開制度は、国民に対し、その諸活動を説明する責務、いわゆる「行政の説明責任」を全うするとともに行政を監視するための重要な制度といえます。また、情報公開制度は行政情報の公開によって得られる利益と非公開によって守られる利益とが、それぞれ適切に保護されるよう合理的な調整の「場」とも言えます。
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