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公文書管理法について解説。公文書の説明責任とは?

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2023/05/09
公文書管理法について解説。公文書の説明責任とは?
「公文書管理法」をご存じですか?
たびたびニュースなどでみなさんも聞くことがあるかと思います。一方でこの法律がどうしてできたのか知る方は少ないのではないでしょうか。公文書は「国民共有の知的資源」「国民が主体的に利用し得るもの」「国民に説明する責務が全うされるようにする」と定められています。実は公文書は私たちのもので利用できるのです。公文書管理法について詳しく解説していきます。

公文書管理法のスタートは1987年「公文書館法」から

公文書管理法制定までの道のりは、第二次世界大戦後からです。市町村合併にともない、自治体で編纂・収集したアーカイブズ文書の永久保存を求める声が上がり、各地の自治体で公文書館が設立されました。1971年には国立公文書館が設立されました。その当時の各公文書館によるアーカイブズは「歴史資料として重要な公文書を保存し、閲覧できるようにする」のを目的としていました。

一方で、公文書の取り扱いについて危機感を持つ有識者も多くいました。戦後から日本学術会議では、たびたび要望や勧告(「公文書散逸防止について」「歴史資料保存法の制定について」「官公庁文書資料の保存について」「文書館法の制定について」)を内閣総理大臣宛に提出していました。それらを受け、1987年12月にアーカイブズを設置するための根拠法となる「公文書館法」が制定されました。

この法律の目的は第一条に書かれています。「この法律は、公文書等を歴史資料として保存し、利用に供することの重要性にかんがみ、公文書館に関し必要な事項を定めることを目的とする。」法律自体は全文7条と非常に短く、精神規定的な性格の強い法律でした。しかし、その当時ユネスコ加盟国約120か国の中で「公文書館法」が制定されていなかったのが日本だけであり、世界的には非常に遅れてではありますが、ようやくスタートラインに立つことができました。

1999年に「国立公文書館法」制定

公文書館法の精神にのっとり、国立公文書館の役割などを定めたのが1999年制定の「国立公文書館法」です。この法律では、国立公文書館の目的は「移管を受けた歴史資料として重要な公文書を保存し、及び一般の利用に供すること等の事業を行うことにより、国立公文書館または国の機関の保存に係わる歴史資料として重要な公文書等の適切な保存及び利用を図ることを目的とする」と規定されていました。この時点では「国民に説明する」内容には触れられていないのがポイントです。

2001年「情報公開法」ではじめて説明責任に言及

一方、情報公開の制度化は、1982年4月に山形県金山町で公文書公開条例が日本の自治体ではじめて施行され、その後全国の自治体に広がっていきました。それを受け、国レベルでも情報公開法の必要性を認識するに至り1999年に「情報公開法」が制定、2001年に施行されました。

情報公開法は日本において初めて「政府の説明責任」という概念を明確にした法律です。この法律の第一条で「行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資すること」を目的を定めています。つまり、国民主権の理念のもと、政府は情報公開(具体的には行政文書の開示)により国民への説明責任を果すとしています。

一方で、「行政機関の長は,この法律の適正かつ円滑な運用に資するため,行政文書を適正に管理するものとする」とあり、行政機関ごとに公文書の管理がまかされ、包括的に国の機関全体の公文書を管理する内容ではありませんでした。

この状況では、公文書が適正に管理されているとは言えず、十分な情報公開ができませんでした。その頃「消えた年金記録」「C型肝炎関連資料の放置」「海上自衛隊航泊日誌の誤廃棄」など公文書管理に関する不祥事が続発し、社会の注目を浴びるようになります。

2009年「公文書管理法」で文書と説明責任が結びつく

社会が公文書管理に注目している状況下に、2009年に「公文書管理法」が制定されました。この法律で初めて、文書管理・アーカイブズの目的は説明責任であることが明確にされました。

公文書管理法は、その目的として、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付け、「主権者である国民が主体的に利用し得るもの」とした上で、「国民主権の理念にのっとり国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」と規定しました。これは、「現在の国民に対する説明責任」は情報公開を、「将来の国民に対する説明責任」はアーカイブズを表わしています。

公文書管理法に定められたのは下記の内容です。

  • 公文書の作成義務
  • 公文書の整理
  • 公文書の保存
  • 公文書の移管又は廃棄
  • 公文書管理に関するコンプライアンス確保の仕組み
  • 特定歴史公文書等の保存・利用
  • 公文書管理委員会
  • 地方公共団体の公文書管理


公文書管理法の制定により、現用文書から非現用文書(歴史公文書)までのライフサイクル管理が一元的に行われることになり、歴史的に重要な資料を正しく保存し、公文書館制度を拡充するための道筋が整いました。

これまでは、情報公開法において、情報公開は説明責任を果たすためのものと明記されていましたが、文書管理およびアーカイブズが説明責任を果たすためのものとは、どこにも謳われていませんでした。この公文書管理法によって、初めて公文書管理・アーカイブズと説明責任との関係が明確になりました。このことの意義は極めて大きいといえます。

まとめ

公文書管理法制定までを時系列で解説しました。世界の国々と比べ遅いスタートの日本の公文書管理であり、今後の運用が注目されています。適切に管理が行われているか私たちも注意を向けることが必要です。
日本レコードマネジメントでは、公文書の整理・管理をはじめ、行政機関が保有するさまざまな『情報資産』に対し、利便性・セキュリティ・コンプライアンスに対応した運用サポートの実績があります。お気軽にご相談ください。